魔術講義 第三回スター・ルビー

Do what thou wilt shall be the whole of the Law.

1913年、アレイスター・クロウリーは次の理念に従って一冊の本を上梓します。

”ある思考、それ自体は虚偽である。従ってその偽証は相対的に真実である。この本は、それ故に人間の言語で表現可能な、真実に近いものとしての声明によって構成されている。” 

この本はクロウリーによって『虚言の書』(The Book of Lies)と名付けられ、ロンドンのWeiland & Co.から自費出版された小さなハードカバーでした。本は全93章からなる神秘的な詩集の体裁を採っており、一つ一つの詩にはカバラ的意味が多彩に散りばめられ、ユーモアのセンスと相俟ってクロウリーの作中内にあっても一際異彩を放っています。クロウリーがこの本を通じて伝えたかったことは「言葉」の相対性、従って「言葉によって綴られた概念によっては真理を伝えることができない」という仏教的概念に起因した哲学の重要性です。クロウリーは、この本に混沌と拡散の深淵の悪魔、コロンゾンのゲマトリア数値「333」を付与しました。即ち、言葉とその羅列は真実を覆い隠す拡散と混乱ではあっても、決してそれのみで完結する真理には成り得ないということです。

クロウリーは噂話やゴシップ、おしゃべりや無駄話を繰り返し、「大いなる作業」を遠い未来の作業としておざなりにする人々 (まるで日本のネット魔術界のようですが)を同書にて痛烈に批判しています。『虚言の書』は、難解で幾通りもの解釈が可能な神秘的な詩の集成ですが、他方A∴A∴の魔術師達に向けた普遍的な哲学書であり、実践テキストでもありました。

クロウリーは、この小さな本に三つのA∴A∴の公式儀式文書 (D級刊行物) を挿入しました。一つは、「黄金の夜明け」団の小五芒星儀礼の発展形である「スター・ルビーの書」、同団の小六芒星儀礼の発展形である「スター・サファイヤの書」、そして血を用いることから悪名高いあの「フェニックスのミサ」です。今回の魔術講座では、セレマ魔術師によって最も多く実践され続けている五芒星儀式、「スター・ルビーの書」を採り上げ、その象徴的解釈と実践のノウハウについて詳しく解説します。

■Ritual Magick of the Aeon of Horus

第三回:『スター・ルビーの書』Liber XXV 〜新アイオンの五芒星儀式—象徴とその実践
3月9日(日) 14:30-17:00 新大阪  参加費: 2,000円
講師: Hieros Phoenix (OTO Japan代表)
開場: 14:15 講義開始 14:30

コンタクト先: sgn.infoアットマークotojapan.org (アットマークを@に変更して下さい)

それでは皆様とお会いできるのを楽しみにしております。

Love is the law, love under will.