Flash of Awakening終了しました

Do what thou wilt shall be the whole of the Law.

8月29日 東京。
Flash of Awakening 〜西洋魔術と意識の新たなる目覚め〜」は無事終了いたしました。意義深い本イベントに講演者の一人としてご招待いただいたSoror Kさん、並びに当日会場にお越しいただいた皆様に改めて深くお礼申し上げます。勿論、主催者サイドとしてイベントの準備にご尽力いただきましたN様にも大感謝です。

本イベントは、西洋魔術の概論、目的、活動に関する実践者の視点に焦点を当てた画期的なものでした。私は、個人的に今回のイベントを「日本人としての霊性を見つめ直す」意義ある時間の共有であったと考えています。「魔術は、神秘を眺め、その叡智を楽しむ大人の趣味・娯楽」。日本ではスタンダードなこの価値観を逸脱し、自分自身を変性させる「回帰のプロセス」への参入に触れた本イベントは、実は日本ではあまり前例のないものであったと思います。イベント報告に関しては、下記のF.L.O. Japanのブログをご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/lvxtokyo/55543731.html

事実、これまで結成、設立されてきた日本人の魔術結社、グループは、すべからく趣味の同人サークルを越えるものではありませんでした。この場合、二つのパターンがあります。一つ目は、あくまでも魔術の趣味性を安全装置として用いて、常に客観的に魔術に良識あるアプローチを心掛ける < 良心派 >。もう一つは、その実像そのものが、実際の魔術結社やグループの活動には及びもつかない < 妄想派 > です。魔術を趣味として満喫するという視点は、どちらかというと宗教に疎遠で、明治以降の廃仏毀釈によってその霊性を歪められた日本人に独特なものです。従って、日本には霊的伝統の遺産が溢れ返っているにも関わらず、その深い意味はあまり顧みられることはありません。私は、個人的に「魔術 = 趣味」を否定するものではありません。というよりも一般的な日本人の感覚では、Golden DawnやThelemaの体系は趣味以上のものには到底なり得ないでしょう。従って、正直にいうと日本人が捉える魔術観は、どれも凡庸で退屈なステレオタイプになってしまう傾向があります。その原因は、根底にある霊性の追求に距離を保ちながら、西洋魔術のコンセプトだけを単に表面上複製しているためでしょう。例えば、「奉仕のために魔術を行う」という日本でも有名なフレーズは、一般的な日本人なら少なからぬ違和感を覚えるものではないでしょうか? 実は、この金言は、W.E.バトラーの「光の侍従」団のみならず、A∴A∴でも強調されていますし、今回のイベントに参加された方々には周知のことですが、F.L.O.でも強く主張されている概念です。この見返りのない「奉仕」の意義は明白です。回帰の径の途上では、「個」の奉仕は、「全体」の奉仕として連綿と織り継がれるタペストリーの一部を形成し、その道を行く者の松明として明るく道を照らしてくれるのです。これは単なる比喩ではなく、その体験を知る者には自明の理以外のなにものでもありません。

私が知る限り、海外に本拠を構える魔術結社の支部が幾つか日本にも存在しています。私自身が日本の代表を務めるO.T.O.はその内の一つです。そしてもう一つが、先にご紹介したF.L.O. Japanです。こういった海外の魔術結社の醍醐味の一つは、本場の魔術師達との深い交流が可能だということです。生まれも育ちも全く異なる異国の魔術師達との交流は新鮮かつ刺激に満ちたものです。その場合、日本ではスタンダードな「Magick = Hobby」はほぼ通用しませんし、良識的だと思われることはありません (どちらかというと不遜だと捉われてしまいます)。

今回、とても歓迎すべき情報が飛び込んできました。F.L.O. Japanが東京でオープンな勉強会を開催するとのことです。
http://blogs.yahoo.co.jp/lvxtokyo/55547709.html
主催者のSoror Kさんは、私が知る限り「もっとも本場の感覚を熟知した」インターナショナル・マジシャンです。F.L.O.のプロベイショナー教材を基にした学習が展開されるようですから、この好機を逃す手はありません。是非、皆さん積極的に参加してみて下さいね。

Love is the law, love under will.