ヒエロス・ガモス 〜聖なる婚礼と魔術儀式〜

Do what thou wilt shall be the whole of the Law.



アレイスター・クロウリーが東方聖堂騎士団 ( 以下O.T.O. ) の為に書いた団の文書は複数あります。それぞれの位階の参入儀式の数々は、元来フリーメーソンリーのブルーロッジの3位階とロイヤル・アーチ、薔薇十字、聖堂騎士団等の秘儀を扱うメーソンリーの高位階の保守的な諸儀礼の革新という形で団内に温存されています。その他、団の声明書やセレマに関する指南書、倫理に関する指導書等多数に上りますが、特筆すべきは第七位階以上の団員への特別指導書を除くと、第十五の書として知られる「グノーシスのミサ」ということになります。

O.T.O.は専らセレマの哲学を礎にしたモダン・フリーメーソンリーであり、< グノーシスカトリック教会 > (Ecclesia Gnostica Catholica)を内包しています。そして「グノーシスのミサ」はO.T.O.の中核儀式として一般公開されている典礼です。兄弟Shivaの言葉を借りると「グノーシスのミサ」は、「私達の啓明と参入の公的礼拝であり、O.T.O.の神学による解放の祝祭」ということになります。その秘密は「復活の契約」と呼ばれる大宇宙にリンクした小宇宙としての人間の本質の宣言と「聖人達との霊的な交流」の実現です。ミサは聖餐式を伴い、参列者は聖化された葡萄酒と『法の書』に於いて示唆された「光のケーキ」を体内に取り入れ、その秘蹟を拝受することになります。「グノーシスのミサ」の神殿そのものは空間に展開された「生命の樹」そのものであり、ミサのプロセスはマルクトから深淵の帳を踏破する「大作業」のダイナミズムが象徴的に表現されています。

今回、聖ヴァニラ学園様のお誘いを頂き、下記のイベントにて講義することになりました。

2016年4月30日(土)
魔術学講座vol.11 儀式魔術復活譚―聖婚とオカルト象徴学
「 ヒエロス・ガモス 〜聖なる婚礼と魔術儀式〜」
http://www.vanilla-gakuen.com/kouza/1605/index.html

今回の会場は、東京 銀座の地下に鎮座する「BAR十誡」です。”「好事家の書斎”をコンセプトとした、感性を限りなく刺激するブックライブラリースタイルのカフェ・バー」とのことですが、好奇心と探究心をくすぐる素晴らしい知の書斎です。

http://www.zikkai.com/

講座ではなるべく平易な表現や映像を交えながら、この聖なる婚礼の儀礼と魔術儀式の実際について解説してみたいと思っています。魔術や儀式に関心をお持ちの皆様、是非会場にお越しください。Dr. Dさんや魔術堂のKATORさんとのコラボも楽しみです。
では、皆様にお会いできることを楽しみにしております。


Love is the law, love under will.